314:◆/ckL6OYvQw
02/02(金) 00:57 G9AEJ5KyO

〜第十章 忘れられた未来、取り戻せない過去〜


「…ここは何処なんだ?」

見渡す限りの闇、生温い空気、呻き声のような音が聞こえること以外音はしない

不安で押し潰されそうな気分だ…

「とにかく思い出してみるか…」

たしか、母ちゃんが殺されて、耐え切れずに人を恨んでしまって…
誰かが語りかけてきたまでは覚えてるんだが
おかしいな…そっから何があったのか何をしたのかを思い出せない…

いきなり喋りかけてきた奴のこととかクー達のこととか気になるが…今は現状把握からだな

「声もでるし温度もわかる…、でもいまいち生きてるって気分になれないな」





「ん?向こうになんか変な門があるな…、行ってみるか」

316:◆/ckL6OYvQw
02/02(金) 01:21 G9AEJ5KyO


まわりに骸骨が置いてあるおぞましい光景であるが門だけを見つめて門を開く


「…なんだよ、ここ」


普通の闇より遥かに黒く光る何かの魔法陣のような紋章
そこにたたずむ一人の少女

ハリ゚-゚)「あなたもなのね」

「きみは誰だ?」

この少女どこかで見たような気がする

……ダメだ。思い出せない…

ハリ゚-゚)「あなた病気のせいで大半の記憶を失ったみたいね。多分、人との信頼の記憶…」

「病気って…なにか知ってるのか?それといろいろ聞きたいことが」

ハリ゚-゚)「大丈夫よ。あなたが聞きたいことはちゃんと教える」








そのあと、少女はいろいろ教えてくれた。俺が質問しようと思ったことを完璧に教えてくれた
まるで、心が読まれてるみたいだった

317:◆/ckL6OYvQw
02/02(金) 01:49 G9AEJ5KyO



「えーと、きみの名前はレイナで。ここは黒闇病で死んでしまった人が来る場所、闇地獄で、本来黒闇病というのは人に闇の世界の王を住み着かせてしまうという病気で、覚醒したのなら闇の王の力を得るけどその代償に何かを捧げなければならない。と」

ハリ゚-゚)「そうよ」

「で、俺が代償として捧げたものは生前の仲間の記憶ってわけか」

ハリ゚-゚)「他にも捧げたものはあるわ。これを見れば」

少女の手から水晶玉が現れ、中にある者の姿が浮かんだ


Σ ー )「ふむ、ドクオは今ごろは地獄か、まったく一時のテンションに身を任せるほど馬鹿な行動はないというのに…流石は人だな。行動が愚かすぎる」







ハリ゚-゚)「どう?あいつは覚えてるでしょ」

「あいつ、俺に語りかけてきた奴だよな。なんで俺の体に入ってんだ?」

ハリ゚-゚)「今あなたの体は奴が使っている。つまり、あなたは奴に体を捧げているの」

「そう、か……」

ハリ゚-゚)「思い出したくても思い出せない。でしょ?」

「ああ。無理に思い出そうとすると頭が痛くなっちまう」

ハリ゚-゚)「…思い出したい?」

「……できるならな」

ハリ゚-゚)「じゃあ、覚悟があるなら、この魔法陣の中に」

「わかった」

静かにさっきレイナの近くにあった魔法陣に入る


ハリ゚-゚)「いい?これからあなたは自分の本来の記憶を辿っていく。あなたが恐怖心に打ち勝つことができればあなたは本来の記憶を取り戻せるわ」


俺はレイナのほうを見て静かにうなずき、魔法陣へ入っていった

333:◆/ckL6OYvQw
02/17(土) 02:49 35TA/mQXO



『あなた、見て、私達の子よ』

『ああ。よくやった。本当に頑張ったよ』

『ふふ。これで我が一族も安心ね』

『ひとまず、だな。まだこの子は世界を知らない』

『ええ。この子がどう育つか、すべては私達にかかってるのよ』

『そうだな……』


『そうよあなた、この子の名前は?』

『名前?そうだな、ドクオなんてどうだ』

『ドクオ…、なんか貧相な名前ね』

『いや、この名前を覆す程に、この子は元気に育ってほしいと思ってな』

『ふふ…まったく、あなたらしいわね』

『ははは…、とりあえずはお疲れさんお二人とも』






―――――



『きみはなんて名前?』

『ぼく?ぼくはドクオ、よろしくね』

『ドクオ?なんか汚そうな名前だな。こっち近寄んなよ』

『なんで?』

『うるさい、話し掛けてくんな』

『なんで……』








『あれ?そこでなにしてるんだお』

『だってみんながぼくをいじめるんだもん』

『それじゃ僕と一緒だお。仲間だお』

『仲間?』

『仲間っていうのは友達ってことだお』

『友達、友達になってくれるの?』

『フヒヒwwww当然だお!』

『キメェwwww』

『ちょwwwまぁ、これからよろしくだお』

『うん。よろしくブーンくん』

『?。なんで僕のこと』

『名札に書いてるよ』

『知ってますたおwww』

『おまっwww』


―――――
「…懐かしいな。初めてできた友達、それが………」

「そうだ!ツン、ジョルジュ、ギコ、しぃ、ショボン、そしてブーン……」

「ぜんぶ俺の、掛け替えのない友達だ!」
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